真夏に注文して4ヶ月待った鉄瓶が到着して一ヶ月と少し。
自分でも「まだ一ヶ月?」と驚くほど、すでに生活に溶け込んでいます。
選んだのは、釜定の柚子という形。
表面の仕上げは、さらりとした「肌」と線の入った「糸目」もありましたが、
鉄瓶は絶対に「あられ」、とずっと前から決めていました。
蓋の形状はこの姥口が好みでした。
口の周りが少し盛り上がっていて、蓋の部分が少しくぼんだ形状。
蓋が本体と一体化するのですっきりとした形になります。
鉄瓶は気難しい存在かと誤解していましたが、
一緒に暮らしてみて、
こんなに気さくな良いやつはいないんじゃないかと気がつきました。
朝一番に起きて、まだ薄暗いキッチンでストーブに火を入れます。
鉄瓶に水を入れてその上へ。
家族が次々に起きてきて朝食がスタート。
気がつくと、いつの間にか湯が沸いて、細い湯気が立ち上っています。
朝食の進み具合に合わせて、
その湯で夫にコーヒーをいれたりお茶をいれたり。
家族が全員出かけて、朝日がさんさんと差し込んできたらストーブは終わり。
鉄瓶に残っていた湯を朝食の食器に回しかけ、中を空にして蓋を開けておきます。
夕方、日が落ちて部屋に電気をつける頃に、再びストーブと鉄瓶の出番。
眠る前にたっぷり沸いていた湯を湯たんぽに移し、
また空にした鉄瓶の蓋を開けておいて乾燥させておしまい。
それまでキッチンでもストーブの上でも、
柳宗理のステンレスのやかんを使っていました。
キッチンの油がはねればくすんで汚らしくなるし、
ストーブの上で加熱し続けるのは持ち手のプラスチックが傷みそうだし、
それよりも沸騰した時のしゅんしゅんという音がうるさかった。
鉄瓶にしたらそういうお悩みが一気に解決。
キッチンに置きっぱなしでも、ときどき表面をなでて可愛がってあげるだけで、
驚くほど艶が出てどんどん美しい姿になるし、
(鉄瓶は絶対に洗ってはいけない... つまり、洗わなくていい!)
湯を沸かし続けるほど湯垢がついてくれるので、
ストーブにかけるのにもってこいだし、
重量があるので、沸騰中も音が一切しない。
ただ静かに湯気が上がるので、あぁ沸いてるな、と気がつく程度。
この寒い近頃になくてはならない存在。
もっと早く手に入れれば良かったです。
ちなみに、ストーブにかける時の名脇役は、鉄の鍋敷き。
鋳心ノ工房の新四波といいます。
形状とサイズがアラジンストーブにぴったり。
鋳物鉄製、うちのはちょっと錆びさせてしまったけど、
それもまたいい味。
クロスの形が好きなのです。
もちろん、ストウブにも似合います。